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■離婚の弁護士相談と法テラス
離婚に関する争いが起こったときは、専門家である弁護士に依頼するとスムーズに解決をすることが可能です。ただ、弁護士に依頼すると費用もかなり掛かってしまうのではないかということが心配になります。生活保護を受けていたり、収入が年金のみで余裕がなかったり、無職で収入がない場合などには、高額な費用を準備することは困難でしょう。
弁護士に掛かる費用が準備できるか不安なときは、法テラスを利用することを検討してみましょう。
以下に法テラスを利用して弁護士を依頼する方法について説明します。
■１ 法テラスとは
法テラス（正式には「日本司法支援センター」といいます。）とは、国が設立した準独立行政法人で、国民が裁判などの紛争解決のための制度を利用するための支援などを行う組織です。
法テラスは、民事・刑事を問わずさまざまな業務を行っていますが、ここで取り上げるのは、「民事法律扶助業務」といわれるものです。
これは、経済的余裕がなく、法的な紛争解決に必要な費用を負担できない人のために、無料で法律相談を行ったり、紛争解決費用の立て替えを行ったりするものです。
具体的には、訴訟費用や弁護士費用を負担するのが難しい人のために法テラスがこれらの費用を立て替え、立て替えてもらった利用者は法テラスに分割払いでこれを返済するという形で、費用が負担できないために裁判や弁護士を利用できないことのないように援助してくれるものです。
この法テラスを利用すれば、収入や資産がないために費用が準備できなくても裁判制度や弁護士を利用することができ、援助を受けて裁判などをした結果として得たお金から、立て替えてもらった費用を返済することも可能になります。
■２ 法テラスの利用の流れ
この法テラスを利用して弁護士を依頼するには、次のような流れによることになります。
(1) 無料相談
まずは、近くの法テラスに電話をして、法律相談の予約をします。なお、法テラスの利用には資力（収入、資産など）の制限がありますが、これについては後で説明することにします。
予約が取れたら、指定された日時に法テラスの事務所で弁護士による法律相談を受けます。紛争の内容を弁護士に説明して見通しなどについてアドバイスを受け、法テラスの援助を受けて弁護士に依頼したい場合には、その場で援助の申し込みの書類を作成してもらって申し込みをします。
申し込みに当たっては、収入を証明する書類（給与明細、源泉徴収票など）、住民票などの書類を準備して提出します。
(2) 審査
法テラスの援助を受けるには審査があります。この審査は、申込者の資力が一定額以下であること、勝訴の見込みがないとはいえないこと、民事法律扶助の趣旨に適することについて行われます。
(3) 援助開始決定
審査に通ると、法テラスから申込者と担当弁護士に援助開始決定が届きます（通常は、法律相談を担当した弁護士が事件を担当する弁護士に指定されます）。
これが届いたら、担当の弁護士と打ち合わせを行い、正式に事件処理の準備を始めることになります。
そして、法テラスは弁護士に着手金などの費用の立て替え払いをし、利用者は法テラスに毎月分割で立て替え分を返済して行きます。
なお、毎月の返済額は利用者の希望を聞いた上で決まりますので、無理のない範囲での返済が可能です。また、生活保護を受けている人については、返済を猶予する扱いがされています。
(4) 持ち込み事件
なお、これらの通常の流れ以外に、持ち込み事件といわれる形での申し込みもできます。これは、弁護士会、各種役所や弁護士事務所など法テラスではない相談所で弁護士の法律相談を受けた人が、弁護士を通じて法テラスに援助の申し込みをしてもらう方法です。
この方法によれば、利用者は自分で選んだ弁護士の費用を法テラスに援助してもらうことができますので、とても便利な方法です。利用者としては、離婚事件を得意とする弁護士を探して依頼をし、費用は法テラスを利用するということが可能になります。
ただ、弁護士によっては法テラスの事件を扱っていない人もいますので、これが可能かどうか自分の依頼したい弁護士にあらかじめ確認しておく必要があります。
当エクレシア法律事務所では、法テラスに対応していますので、直接エクレシア法律事務所にご相談いただき、そのときに法テラスを利用したい旨をおっしゃっていただければと思います。
■３ 資力について
先ほど記載したとおり、法テラスを利用するには、資力が一定額以下であることが必要です。
その基準の概要は、次の(1)、(2)の基準の双方を満たすことです（詳細は直接法テラスに問い合わせて下さい）。
(1) 収入が一定額以下であること
申込者と配偶者の月収が次の基準以下であること。
| 人数 | 手取月収額 | 家賃・住宅ローン負担による加算 |
|---|---|---|
| 単身者 | １８万２０００円以下
（２０万２００円以下） |
４万１０００円 |
| ２人家族 | ２５万１０００円以下
（２７万６１００円以下） |
５万３０００円 |
| ３人家族 | ２７万２０００円以下
（２９万９０００円以下） |
６万６０００円 |
| ４人家族 | ２９万９０００円以下
（３２万８９００円以下） |
７万１０００円 |
- ※越谷市・春日部市・草加市・八潮市・三郷市などは上段の括弧無しの金額となります。
- ※括弧内は東京・大阪などの大都市の場合（生活保護一級地の場合で埼玉県川口市や東京都足立区などはこちらになります。）。
- ※５人家族以上は、１人増加につき３万円（一級地では３万３０００円）が加算されます。
- ※離婚事件で配偶者が相手方となる場合には、配偶者の収入は合算しません。
(2) 保有資産が一定額以下であること
申込者と配偶者の現金・預貯金の合計が以下の基準以下であること。
| 人数 | 資産合計額 |
|---|---|
| 単身者 | １８０万円以下 |
| ２人家族 | ２５０万円以下 |
| ３人家族 | ２７０万円以下 |
| ４人家族 | ３００万円以下 |
- ※医療費、教育費などの出費がある場合には一定額が考慮されます。
- ※離婚事件で配偶者が相手方となる場合には、配偶者の資産は合算しません。
■４ まとめ
法テラスを利用することによって、手元にまとまったお金がなくても分割払いで弁護士費用をまかなうことができます。もちろん、月額の返済額は用立てる必要がありますが、それでも大きな助けとなるでしょう。離婚問題で悩んでいる人にとっては大変便利な制度ですので、利用を検討してみてはいかがでしょうか。
エクレシア法律事務所は法テラスに対応しています
このようにして法テラスを利用することで、弁護士費用をそれほど気にすることなく法的サポートを得ることができます。
エクレシア法律事務所では、この法テラスにも対応しているため、弁護士費用を分割で支払うことが可能です。
まずは、離婚に強い当事務所の弁護士にご相談ください。
そして、上述のように、「持ち込み事件」として、法テラスに依頼することで、条件を満たせば弁護士費用の分割や場合によっては猶予が可能となります。
弁護士費用が捻出できないから離婚できないと悩まないで、まずはエクレシアの弁護士にご相談いただきたいと思います。
対応エリアは埼玉県東部を中心に、越谷市、春日部市、草加市、三郷市、八潮市、吉川市、川口市、東京都足立区、そのほか近隣の方からも受け付けております。
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